
1.神明造(しんめいづくり)
神社の造りは、大きく分けて、
- 神明造
- 大社造
この2つに代表されます
まずは《神明造》について、詳しく知っていきましょう!
神明造は、
日本の原初的な高床式の穀倉の形から発展した
引用:《神社のいろは「神社検定公式テキスト1」》3級・2級
とされています
神明造で建てられた代表的な神社は、かの有名な《伊勢神宮》!
他の神社が伊勢神宮を称え、同じ造りにすることを避けたために、独特の形式となっています
神明造の主な特徴は、
- 屋根の平らな部分に入り口が設けられていること
- 材木がそのまま用いられ、「千木(ちぎ)」や「鰹木(かつおぎ)」が設けられていること
だけどこの特徴、文字で説明されてもいまいちパッとしない…
ですが、《大社造との違い》を比べると、この特徴もスッと頭に入ってきます!
次はひとまず、大社造についてご説明していきます
2.大社造(たいしゃづくり)
大社造は、
古代の住居の形から発展した
引用:《神社のいろは「神社検定公式テキスト1」》3級・2級
とされています
代表的な大社造りの神社は、こちらも全国的に有名な《出雲大社》
大社造には、
- 屋根の三角の部分に入り口が設けられていること
- 神明造と同じく材木がそのまま使われていること
このような特徴があります
さて、ここまで知ったところで、いよいよこの2つの《違い》についてのお話!
- ここは神明造!
- あそこは大社造!
といった違いが分かるようになると、神社巡りの楽しみが1つ増えるようになります!
神明造と大社造の《違い》
- 神明造
- 大社造
2つの大きな違いは、《入り口》にあります
2つの建築様式を、写真から見比べてみましょう!
それぞれの《入り口》に注目してみてください!
神明造:伊勢神宮にある「伊雑宮(いざわのみや)」

大社造:神魂(かもす)神社の「本殿」

この2つは、「入り口がどこに配置されているか?」によって、大きく異なる特徴が現れています
簡単にご説明すると、
- 神明造は、屋根が《平面》に見える部分「平(ひら)」に入り口を置く「平入(ひらいり)構造」
- 大社造は、屋根が《三角》に見える部分「妻(つま)」に入り口を置く「妻入(つまいり)構造」
となっています
写真を見てみると、確かに入り口の配置が異なっているのが分かりますね!
そして全国各地にある神社は、この2つの建築様式から多くの造りへと派生していきました
- 住吉大社
- 春日大社
- 日光東照宮
といった有名な神社も、それぞれここから派生した独特の形式によって建てられています
ここからは、有名な神社の造りについて、いくつかピックアップしてご紹介していきます!
神明造から派生した《八幡造(はちまんづくり)》
神明造から派生した建築様式が、「八幡造」です
大分にある《宇佐神宮》に代表されます
神明造との大きな違いは、日除けや雨除けとして使われる小さい屋根「庇(ひさし)」が設けられていること!

写真を見ていただければ分かる通り、平入の入り口部分に、天に向かって沿った屋根がありますね!
また、本殿が前後2棟に分かれているのも、八幡造独特の特徴です
この、
- 向拝の有無
- 本殿の形式
が、神明造と八幡造の大きな違いになります!
大社造から派生した《住吉造(すみよしづくり)》
大阪にある住吉大社に代表される、建築様式の1つ
大社造と似た造りですが、

この平面図のように、《本殿が「2部屋」になっていること》
また《入り口の階段に屋根が設けられていないこと》が、大社造との大きな違いです
大社造から派生した《春日造(かすがづくり)》
奈良にある春日大社の代表される、建築様式の1つ

大社造と異なり、妻入の屋根に向拝が設けられています
ご紹介した代表的な造り以外にも、全国各地に様々な派生があります!
上で紹介した、
- 神明造
- 大社造
- 八幡造
- 住吉造
- 春日造
以外にも、
- 日吉造:日吉大社(滋賀)
- 権現造:日光東照宮(栃木)
- 尾張造:津島神社(愛知)
など、実に様々な形式があります…!
あなたの地元にある神社も、唯一無二の造りではなく、どれかの造りに当てはまっています
まずは近所の神社のご本殿を、注意深く観察してみてはいかがでしょうか?
《神社の造り・建築様式について》まとめ!
- 訪れた神社がどの造りをしているかは、まず《本殿への入り口》と《屋根》を確認!
- 《庇の有無》や《本殿の部屋の数》によっても形式が異なるので、ご本殿もよく観察してみましょう!
造りがわかるようになると、その神社にいつまでもいたくなってしまいます…(笑)
神社参拝時には、ご本殿の外観も楽しんでみてください!
造りの特徴や違いを知ると、いろんな神社を巡り、いろんなお社を眺めたくなります✨